住宅ローンの借り換え時の控除はどうなる?手続きや条件についても解説

住宅ローンコラム

住宅ローンを借り換えると、住宅ローン控除は受けられるのかと疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。結論として、借り換え後も住宅ローン控除を受けることは可能ですが、条件や手続きを正しく理解しておきましょう。

この記事では、住宅ローンの借り換えの基本から、控除の継続条件や必要な手続き、注意すべきポイントを解説します。


住宅ローンの借り換え時の控除はどうなる?手続きや条件についても解説


住宅ローンの借り換えとは

住宅ローンの借り換えとは、現在利用している住宅ローンを新たなローンに切り替えることを指します。主な目的は、金利の低下や返済条件の改善を通じて、総返済額や月々の返済負担を軽減することです。

借り換えを行う主な理由として、以下の点が挙げられます。

  • 金利の低下:市場金利の変動により、より低い金利のローンが提供される場合、借り換えによって利息負担を減少させることが可能です。
  • 返済条件の見直し:返済期間の延長や短縮、返済方法の変更など、自身のライフプランに合わせた条件に調整できます。
  • 保障内容の充実:新たなローン契約時に、団体信用生命保険の内容を見直し、保障を手厚くすることができます。

借り換えを検討する際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

  • 金利差:現在のローンと新たなローンの金利差が1%以上あると、借り換えのメリットが大きいとされています。
  • 残りの返済期間:返済期間が10年以上残っている場合、借り換えによる効果が期待できます。
  • 借入残高:残高が1,000万円以上あると、借り換えのメリットが大きくなります。

このように、借り換えを検討する際は現在のローン条件と新たなローン条件を比較し、総返済額や月々の返済額、諸費用などを含めた総合的なメリットを確認することが大切です。

借り換え後も住宅ローン控除を受けるための条件

借り換え後も住宅ローン控除を受けるためにはいくつかの条件があります。住宅ローン控除の基本的な要件は以下の通りです。

要件 詳細
合計所得金額 2,000万円以下であること。
返済期間 10年以上の償還期間があること。
居住要件 取得から6ヶ月以内に居住し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること。

次に、借り換え後に控除を継続するために満たすべき条件には下記の項目があります。

・借り換えの目的が明確であること

新しいローンが、元の住宅ローンの返済のために借り入れたものであることが明らかである必要があります。具体的には、借り換えによる新たな借入金が、元の住宅ローンの全額返済に充てられたことを証明する書類を保管しておくことが重要です。

・ 新しいローンが控除の要件を満たしていること

新たな住宅ローンも、控除の適用要件を満たしている必要があります。特に、返済期間が10年以上であることが求められます。借り換えにより返済期間を短縮し、10年未満となった場合、控除の適用を受けられなくなるため注意が必要です。


最後に、借り換え時に注意すべき控除適用の制限事項についても解説します。

・ 控除期間の延長はない

借り換えを行っても、住宅ローン控除の適用期間が延長されることはありません。例えば、新築住宅で13年間の控除期間が設定されている場合、借り換え後もこの期間は変わりません。

・ 借入金額の増加に注意

借り換えにより借入金額が増加した場合、控除の対象となる借入金額は、元のローン残高を超えない範囲となります。具体的には、借り換え直前のローン残高と新たな借入金額を比較し、元の残高を超える部分は控除の対象外です。

これらの条件を満たすことで、借り換え後も住宅ローン控除を継続して受けることが可能です。借り換えを検討する際は、これらのポイントを十分に確認し、適切な手続きを行うことが重要です。

控除継続の手続きと確定申告の流れ

住宅ローンを借り換えた後も、住宅ローン控除を継続して受けるためには、適切な手続きと確定申告が必要です。

まず、借り換え後の住宅ローン控除継続のための手続き手順を見ていきましょう。

借り換えを行った場合、控除を継続するためには、以下の必要書類を準備し、年末調整または確定申告を行う必要があります。

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金特別控除申告書:初年度の確定申告後、税務署から送付される書類で、2年目以降の年末調整時に使用します。紛失した場合は、税務署で再発行が可能です。
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書:金融機関から毎年送付される書類で、最新のものを提出する必要があります。

次に、必要な書類や提出先、提出期限について詳しく説明します。

借り換えの時期によって、手続き方法が異なります。

借り換え時期 手続き方法 提出期限
1月~9月 年末調整 勤務先の指定する期限まで
10月~12月 確定申告 翌年2月16日~3月15日

10月以降に借り換えを行った場合、金融機関からの年末残高証明書の発行が年末調整に間に合わない可能性があるため、確定申告が必要となります。

そして、確定申告を行う際は、税務署または国税庁のウェブサイトから確定申告書を入手します。その後、必要事項を記入し、必要書類を添付します。所轄の税務署に提出するか、e-Taxを利用してオンラインで申告して完了です。

注意点として、提出期限を厳守すること、必要書類に不備がないことを確認してください。また、控除申告書や残高証明書は大切に保管し、紛失した場合は速やかに再発行手続きを行いましょう。

以上の手続きを適切に行うことで、住宅ローンの借り換え後も控除を継続して受けることが可能です。

控除適用期間とその他の注意点

住宅ローンの借り換えを検討する際、住宅ローン控除の適用期間や、借り換えに伴う諸費用が控除に与える影響について理解しておくことが重要です。以下で詳しく解説します。

まず、住宅ローン控除の適用期間についてです。住宅ローン控除は、居住を開始した年から一定期間適用されます。新築住宅の場合、控除期間は13年間、中古住宅では10年間と定められています。重要なのは、借り換えを行ってもこの控除期間が延長されることはないという点です。借り換えによって返済期間が延長されたとしても、控除期間自体は変わらないことを理解しておきましょう。

次に、借り換えに伴う諸費用や手数料が控除に与える影響についてです。借り換え時には、新たなローン契約に伴う事務手数料、現在のローンの一括繰り上げ返済手数料、登記関連費用などが発生します。これらの費用を新たな借入金に含める場合、控除対象となる年末残高が調整され控除額が想定より少なくなる場合があります。したがって、借り換えを検討する際には、これらの諸費用が控除額にどのような影響を与えるかを事前にシミュレーションし、総合的なメリット・デメリットを評価することが重要です。

以上の点を踏まえ、住宅ローンの借り換えを行う際には、控除適用期間の延長がないことや、諸費用が控除に与える影響を十分に理解し、慎重に判断することが求められます。

まとめ

住宅ローンの借り換えは、返済の負担軽減や将来の安定を目指す方にとって有効な方法ですが、住宅ローン控除を継続するにはいくつかの条件や手続きが必要です。借り換え時には、控除要件の確認、必要書類の準備、事前の手続きが不可欠です。また、適用期間や控除額の変動、諸費用の扱いについても理解しておくことが重要です。基礎から手続きの流れまで知ることで、安心して賢く借り換えを進めることができます。

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