相続土地国庫帰属制度について!申請の流れも解説

不動産購入コラム

梅澤 英孝

筆者 梅澤 英孝

不動産キャリア21年

家探しは、物件だけでなく「誰と探すか」も大切です。不動産営業=“売る仕事”と思われがちですが、私にとっては“お客様の将来を一緒に考える仕事”です。お子さまの通学や生活動線、将来のライフプランまで、一緒に想像しながら最適な住まいをご提案しています。小さなご相談でも、どうぞ気軽にお声かけください。

相続土地国庫帰属制度について!申請の流れも解説



相続によって山林や使い道のない土地を引き継いだものの、管理や維持に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような場合に検討したいのが、「相続土地国庫帰属制度」です。
本記事では、相続土地国庫帰属制度の概要から、メリット・デメリット、申請の流れをご紹介します。

相続土地国庫帰属制度の概要と条件



相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈によって取得した土地において、一定の条件を満たす場合に国に引き取ってもらえる制度です。
そして、所有者は管理をする必要がなくなり、法的に所有権を手放すことが可能になります。
また、これにより土地の維持管理や固定資産税の支払いが不要になります。
ただし、先述したようにすべての土地が対象になるわけではなく、制度を利用するには、申請者の条件と土地の条件の両方を満たす必要があります。
申請者の条件は、相続または遺贈により土地を取得した人に限られ、生前贈与や売買で取得した土地は対象外です。
また、土地に関する条件としては、隣地との境界が明確であること、建物や埋設物がないこと、崖地でないことなどの条件があります。
さらに、担保権が設定されている土地や、他人が利用する予定のある土地は申請することができません。
事前に確認を行い、相続土地国庫帰属制度の利用を検討しましょう。

相続土地国庫帰属制度を使うメリットとデメリット

相続土地国庫帰属制度には、メリットとデメリットの両面があります。
主なメリットとして挙げられるのは、先述しましたが、活用できず手放しにくい土地でも、国に引き取ってもらえるという点です。
売却や寄付が難しい山林や農地、原野なども対象となるため、引き取り先を探す負担が軽減されます。
また、相続放棄とは異なり、不要な土地のみを選んで処分できるため、住居や資産はそのまま保有することが可能です。
引き取り後は国有地として適切に管理されるため、周辺環境への悪影響も防ぐことができます。
このようなメリットがある一方で、デメリットもあります。
まずは、制度の利用にあたって費用がかかる点です。
申請時には1筆あたり14,000円の審査手数料が必要で、承認された後は原則として20万円の負担金が発生します。
土地の測量や専門家への依頼費用が別途かかる場合もあり、合計で数十万円規模の出費となることもあります。
また、手続きには時間もかかるため、すぐに処分できない点です。
申請から承認までに半年から1年ほど要することもあり、書類審査や現地調査などの過程を踏む必要があります。
制度を利用する際には、こうした手続きにかかる時間的・金銭的負担を見込んだうえで準備することが大切です。

相続土地国庫帰属制度の申請手続きの流れ

相続土地国庫帰属制度を検討する際は、申請手続きの流れもあらかじめ確認しておきましょう。
まず、必要書類を揃えることから始まります。
書類には申請書のほか、登記事項証明書、公図、地積測量図、境界確認資料、固定資産税評価証明書などがあります。
加えて、建物や工作物がないことや、境界に争いがないことを示す資料も用意しておくと手続きがスムーズです。
次に書類が揃ったら、土地のある地域を担当する法務局(または地方法務局)の不動産登記部門に提出します。
法務局では書類審査や現地調査が行われ、要件を満たしているかどうかが確認されます。
そして審査に通過し承認されると、30日以内に負担金を納付する必要があります。
これにより、土地の所有権は正式に国へ移転されます。
なお、申請の際には、要件を一つでも満たさないと却下されることや、一度承認されると取り下げができない点に注意しましょう。

まとめ

相続土地国庫帰属制度は、相続などで取得した不要な土地を国に引き取ってもらえる制度で、管理や固定資産税の負担を軽減できるメリットがあります。
ただし、申請には費用や期間がかかり、審査に通らなければ却下されるケースもあります。
このように制度を利用する際は、様々な注意点があるため、専門家に相談しながら準備を進めましょう。

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