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フラット35は安心。 でも“安心代”が2,000万円を超える時代

住宅ローンコラム

梅澤 英孝

筆者 梅澤 英孝

不動産キャリア22年

家探しは、物件だけでなく「誰と探すか」も大切です。不動産営業=“売る仕事”と思われがちですが、私にとっては“お客様の将来を一緒に考える仕事”です。お子さまの通学や生活動線、将来のライフプランまで、一緒に想像しながら最適な住まいをご提案しています。小さなご相談でも、どうぞ気軽にお声かけください。

住宅ローン比較

フラット35は安心。
でも“安心代”が2,000万円を超える時代

最近、「変動金利は怖いので、フラット35で考えています」というご相談が増えています。

確かにフラット35は、金利が固定されるため、将来の返済額が変わらない安心感があります。 ただし、今の金利水準では、その安心を得るためのコストがかなり大きくなっています。

5,000万円を借りた場合、フラット35と変動金利では、利息差が約2,000万円になるケースもあります。

フラット35は「9割まで」


意外と知られていませんが、フラット35は物件価格の9割までの借入と、9割を超える借入で金利条件が変わります。


今回は、5,000万円の新築戸建てを購入するケースとして、次のように試算します。

フラット35部分:9割

4,500万円
金利2.82%
子育てプラス4ポイント利用
当初5年間:1.82%
6年目以降:2.82%

別ローン部分:1割

500万円
金利3.825%
金利引き下げなし

比較対象として、変動金利は5,000万円を金利0.925%、35年返済で試算します。

5,000万円借入の比較


ローン 月々返済 総返済額 利息
変動金利 0.925% 約13.9万円 約5,855万円 約855万円
フラット35+別ローン 当初5年:約16.7万円
6年目以降:約19.0万円
約7,840万円 約2,840万円

利息差

約1,985万円

もちろん、フラット35には「返済額が変わらない」という大きな安心があります。 しかし今の金利水準では、その安心代が約2,000万円近くになる可能性があります。

期間を延ばすと、さらに利息は増える


最近は、月々の返済額を下げるために40年・50年ローンを検討する方も増えています。 しかし、金利が高い状態で返済期間を延ばすと、利息負担はさらに大きくなります。

返済期間 当初5年間 6年目以降 利息総額
35年 約16.7万円 約19.0万円 約2,840万円
40年 約15.2万円 約17.7万円 約3,357万円
50年 約13.4万円 約15.9万円 約4,463万円

50年ローンにすると、月々は変動35年に近づきます。
しかし利息差は約3,600万円以上に広がります。

月々の返済額だけを見ると、「50年なら払えそう」と感じるかもしれません。 しかし実際には、返済期間を延ばすことで、総支払額は大きく増えてしまいます。

変動金利は本当に危険なのか?


一方で、変動金利にもリスクはあります。 今後、金利が上がれば月々の返済額も増える可能性があります。

ただし、いきなり3%になると考えるより、まずは1.5%、2.0%まで上がった場合に耐えられるかを見ることが大切です。

金利 月々返済 現在との差
0.925% 約13.9万円 -
1.5% 約15.3万円 約1.4万円増
2.0% 約16.6万円 約2.6万円増
3.0% 約19.2万円 約5.3万円増

変動金利を選ぶ場合は、今の低い金利だけを前提にしてギリギリまで借りるのではなく、 金利が1.5%、2.0%に上がっても生活できる予算に抑えることが大切です。

結局、どちらを選ぶべきか


フラット35が悪いわけではありません。 将来の返済額が決まる安心感は大きなメリットです。

ただし、現在の金利水準では「安心を買うためのコスト」が非常に高くなっています。

フラット35が向いている方

  • 将来の金利上昇がどうしても不安な方
  • 返済額を固定して家計管理したい方
  • 自営業などで固定金利を重視したい方
  • 長く住み続ける前提の方

変動金利が向いている方

  • 毎月の返済額を抑えて家計に余裕を残したい方
  • 教育費や貯蓄も重視したい方
  • 金利上昇時に繰上返済できる余力を持ちたい方
  • 将来的に売却や住み替えの可能性がある方

大切なのは「買った後の生活」

住宅ローンは、金利だけで決めるものではありません。

固定資産税、修繕費、教育費、物価上昇など、家を買った後にもお金はかかります。

だからこそ、これからの住宅ローン選びで大切なのは、 「いくら借りられるか」ではなく、「買った後も余裕を持って暮らせるか」です。

フラット35は安心。
でも、その安心代が2,000万円を超えるなら、慎重に比較する価値があります。

住宅ローンは「家を買うため」だけでなく、買った後の生活を守るために選ぶことが大切です。

※上記は元利均等返済・ボーナス返済なしでの概算シミュレーションです。実際の返済額は金融機関、審査内容、諸費用、金利タイプ、借入条件により異なります。

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