住宅ローンの常識「年収の5倍・返済負担率25%」は本当か
前回のコラムでは、住宅の予算を住宅ローン借入可能額で考えるのではなく、借入目安額で考えるべきというお話をしました。
借入目安額は、返済負担率25%で算出される額です。
前回コラム⇒「年収別で考える住宅ローン借入れ可能額と目安額」
また、同様に「住宅ローンは年収の5倍まで」という話も聞いたことがあるのではないでしょうか。
このどちらも、ある意味正解で、ある意味間違っているとも言えます。
今回は、それぞれで考慮すべき点をまとめました。
住宅ローンと年収・借入額の返済負担率は25%以内?
人によっては「生活を切りつめてでも憧れだったマイホームを建てたい」「たとえ狭い家に住もうと、子供の教育費に糸目は付けない」というように、価値観に違いがあります。
「憧れのマイホームだから、いくらかかっても納得できる家に住みたい」という方は、返済負担率25%を超える額の借り入れをして納得のいく家を建て、住宅ローンの支払いで生活が厳しくても満足できる家に暮らせることで幸せを感じられるかもしれません。
一方で、返済負担率を25%以内で抑えた予算の家に暮らしても、子どもの私立中学の学費がかかり、「住宅ローンの支払いが厳しい」と感じる方もいるでしょう。
このように、お金の使い方、幸せの価値観は人によって異なります。
返済負担率25%以内にこだわりすぎることで、思い描いていた理想の人生を送る事が出来なければ、それは満足できるマイホーム購入にはならないでしょう。
住宅ローンと年収・借入額は5倍までなら大丈夫?
たとえば、年収500万円の2人が年収の5倍の住宅ローン借り入れをした場合、2,500万円が住宅の購入予算となります。
しかし、年齢が25歳のAさんと、40歳のBさんでは返済期間が変わります。
Bさんは、定年退職する60歳までに支払いを終了したいと考えて、返済期間を20年に設定しました。
それぞれの返済月額と返済期間は以下になります。
返済額試算例(ボーナス分0で計算)
Aさん…35年返済・月の支払い額80,146円
Bさん…20年返済・月の支払い額120,981円
Aさんの場合は月の支払い額が約8万円となり、家賃と変わりない程度の額に抑えられました。
一方でBさんの場合、毎月10万円を超える支払いが必要になります。
年収500万円というと、月の手取りは30万円前後となるので、Bさんは住居費用が月収の1/3を占める事になります。
Bさんの年齢になれば、一般的にはお子さんが小学生、中学生くらいになり、教育費の負担が重くなってくる年代です。
そのうち住宅ローンが12万円で、子どもの学費や将来への貯蓄もするとなると、家計のやりくりはかなり厳しいと思われます。
これを見ると、一般的に年収の5倍とされる住宅ローン借入額も、あまりあてになりませんね。
おわりに
家はあなたの人生を豊かにする一つの手段であり、
人生の最終目的ではありません。
そのため、住宅ローンを借り入れる前に、あなたの家に対する価値観や、人生で優先するべきことを考える必要があるでしょう。
住宅ローンの返済によって、人生で最も大切にしたい物を犠牲にしてしまってはご家族との幸せな暮らしを送ることが難しくなりますね。
横浜マンションライフではマイホームご購入の資金計画について、ご相談に応じております。
ご満足できる物件選びと、住宅ローン返済の最良のバランスを考え、お客様にご提案いたします。
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