
新住所で登記をするには?住宅購入時の住所変更登記を解説
新住所で登記をするには?住宅購入時の住所変更登記を解説
新築戸建てを購入する際、仲介会社や司法書士から 「新住所へ住民票を移してから登記をしましょう」 と案内されることがあります。
まだ引っ越していないのに、なぜ先に住所を変更する必要があるのか、 疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
新住所で登記をする主な理由は、購入後の住所変更登記を省き、 登記簿上の住所と実際に住む住所を最初から揃えるためです。
この記事では、新住所で登記する理由や現住所で登記した場合との違い、 住宅用家屋証明書との関係について解説します。
新住所で登記するとは?

不動産を購入すると、土地や建物の所有者として、購入者の氏名と住所が登記簿に記録されます。
新住所で登記するとは、購入した住宅の住所へ住民票を移し、 その住所を所有者の住所として登記することです。
新築戸建てを購入した場合は、主に次の登記が行われます。
- 土地の所有権移転登記
- 建物の所有権保存登記
- 住宅ローンを利用する場合の抵当権設定登記
これらの登記に記録される所有者の住所を、現在住んでいる住所ではなく、 購入した新居の住所にします。
なぜ新住所で登記するの?
新住所で登記する大きな理由は、引っ越し後に住所変更登記をしなくて済むことです。
現住所で登記をした後、新居へ引っ越して住所が変わると、 登記簿に記録された住所と現在の住所が異なる状態になります。
そのため、登記簿上の住所を新住所へ変更する 「住所変更登記」が必要になります。
- 引っ越し後の住所変更登記が不要になる
- 住所変更登記にかかる費用や手間を省ける
- 登記簿上の住所と実際の住所が最初から一致する
- 将来売却するときの手続きが増えにくい
新住所で登記した方が安くなる?

新住所で登記した方が、結果として費用を抑えられることがあります。
現住所で登記した後に住所を変更すると、住所変更登記の登録免許税が必要です。 司法書士へ依頼する場合は、登録免許税とは別に司法書士報酬もかかります。
最初から新住所で登記しておけば、後から住所変更登記をする必要がないため、 その分の費用と手間を省けます。
新住所で登記する場合
- 登記簿に新居の住所が記録される
- 引っ越し後の住所変更登記が不要
- 追加の登録免許税や司法書士報酬を抑えられる
現住所で登記する場合
- 登記簿には以前の住所が記録される
- 引っ越し後に住所変更登記が必要
- 登録免許税や司法書士報酬がかかる場合がある
住宅用家屋証明書で登録免許税が軽減される

新築住宅の登記では、一定の条件を満たすと 「住宅用家屋証明書」を利用して、 登録免許税の軽減を受けられる場合があります。
住宅用家屋証明書によって軽減の対象になる主な登記は、次のとおりです。
- 建物の所有権保存登記
- 建物の所有権移転登記
- 住宅ローンの抵当権設定登記
住宅用家屋証明書による軽減は、 新住所で登記することだけが条件ではありません。
現住所のままでも、住宅用家屋証明書の交付条件を満たし、 申立書などの必要書類を提出することで、軽減を受けられる場合があります。
住宅用家屋証明書は現住所でも取得できる?
住宅用家屋証明書は、購入した住宅へ入居し、 住民票を新住所へ移してから申請するのが基本です。
ただし、登記までに住民票の移動が間に合わないなど、 やむを得ない事情がある場合は、 未入居の状態でも取得できることがあります。
その場合は、一般的に次のような書類を求められます。
- 新居へ入居することを記載した申立書
- 現在住んでいる住宅の売買契約書
- 現在住んでいる賃貸住宅の賃貸借契約書
- その他、現在の住宅を退去することが確認できる書類
必要書類や入居予定日までの期間などは自治体によって異なるため、 事前に司法書士や担当者へ確認しましょう。
現住所で登記するとどうなる?

現住所で登記をしても、不動産の所有権に問題が生じるわけではありません。
その後新居へ引っ越しても、登記が無効になったり、 住宅の権利を失ったりすることはありません。
ただし、登記簿には以前の住所が残るため、 現在の住所と登記簿上の住所が異なる状態になります。
将来、不動産を売却したり、住宅ローンを借り換えたりする際には、 先に住所変更登記が必要になることがあります。
また、何度も引っ越している場合は、 住民票や戸籍の附票などを使って、 登記簿上の住所から現在の住所までのつながりを証明しなければならないこともあります。
住所変更登記は義務化されています

2026年4月1日から、不動産の所有者は、 住所や氏名が変わった日から2年以内に変更登記を申請することが義務付けられています。
正当な理由なく申請しなかった場合は、 5万円以下の過料が科される可能性があります。
すでに住所が変わっているにもかかわらず住所変更登記をしていない場合は、 原則として2028年3月31日までに手続きが必要です。
現住所で登記した後に新居へ住所を移した場合は、 売却するときまでそのままにするのではなく、 期限内に住所変更登記を行う必要があります。
権利書に前の住所が記載されていても大丈夫?
一般に「権利書」と呼ばれている書類は、 現在では「登記識別情報通知」と呼ばれます。
登記識別情報通知は、不動産と登記名義人ごとに発行される大切な情報で、 将来売却などの登記手続きを行う際に使用します。
現住所で登記した場合は、登記完了時点の住所が記載されます。 その後新住所へ引っ越しても、登記識別情報通知が無効になることはありません。
また、住所変更登記をしても、 登記識別情報通知が新しい住所で再発行されるわけではありません。
手元にある登記識別情報通知に前の住所が記載されていても、 不動産の所有権がなくなったり、書類が無効になったりすることはありません。
ただし、せっかく購入した新居の登記書類に以前の住所が残っていることを、 すっきりしないと感じる方もいるでしょう。
新住所で登記しておけば、登記簿上の住所と実際に住む住所が最初から一致するため、 書類上も分かりやすくなります。
登記事項証明書と権利書は別の書類
登記事項証明書と権利書は、同じ書類ではありません。
登記事項証明書
土地や建物の所在地、面積、所有者、抵当権など、 登記簿に記録された内容を確認するための書類です。 法務局で取得できます。
登記識別情報通知
一般に権利書と呼ばれる書類です。 不動産の所有者になった人へ通知され、 将来売却などの登記を行う際に使用します。
新住所と現住所のどちらで登記すればいい?
新住所で登記するか、現住所で登記するかは、 購入者が自己判断で決めればよいとは限りません。
住宅ローンを利用する場合は、金融機関や司法書士によって、 必要書類や取扱いが異なることがあります。
また、決済日までの日数や住民票を移せる時期によっては、 現住所で登記することもあります。
新住所で登記すれば、登記簿上の住所と実際の住所を最初から揃えられ、 購入後の住所変更登記も不要になります。
一方、現住所で登記をしても所有権に問題はありません。 住宅用家屋証明書についても、条件と必要書類を満たせば、 未入居の状態で取得できる場合があります。
住民票を移す時期は、住宅ローンや登記の手続きにも関係します。 仲介会社、司法書士、金融機関の案内を確認してから手続きを進めましょう。
まとめ
新住所で登記する主なメリットは、 引っ越し後に住所変更登記をしなくて済むことです。
登記簿上の住所と実際に住む住所が最初から一致するため、 将来の売却や借り換えの際にも余計な手続きが増えにくくなります。
また、登記書類に以前の住所が残ることを避けられるため、 書類上も分かりやすくなります。
ただし、住宅用家屋証明書による登録免許税の軽減は、 新住所で登記することだけが条件ではありません。 現住所のままでも、必要書類を揃えることで取得できる場合があります。
新住所と現住所のどちらで登記するかは、 決済日や住宅ローンの手続きにも関係するため、 担当者や司法書士の案内に従って進めましょう。
