
オール電化住宅とは?新築戸建て購入前に知っておきたい特徴・設備・注意点
オール電化住宅とは?新築戸建て購入前に知っておきたい特徴・設備・注意点
新築一戸建てを探していると、物件情報の設備欄に「オール電化」と記載されている住宅を見かけることがあります。
なんとなく「ガスを使わない住宅」というイメージはあっても、「普通の住宅と何が違うの?」「電気代は安くなる?」「エコキュートってどんな設備?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
オール電化住宅は、キッチンや給湯など、住宅で使用する熱源を基本的に電気でまかなう住宅です。
現在の新築戸建てでは、IHクッキングヒーターとエコキュートを組み合わせた住宅が一般的です。
今回は、新築戸建てを購入する方に向けて、オール電化住宅の特徴やメリット、ガス併用住宅との違い、購入前に確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
オール電化住宅とは?

オール電化住宅とは、住宅で使用する熱源を基本的に電気でまかなう住宅のことです。
一般的な住宅では、キッチンはガスコンロ、給湯はガス給湯器、エアコンや照明は電気というように、ガスと電気を併用します。
一方、オール電化住宅では、キッチンにはIHクッキングヒーター、給湯にはエコキュートなどを使用し、基本的にガスを使用しません。
「調理はIH、給湯はエコキュート」という組み合わせが、現在の新築戸建てでは代表的です。
ガスの契約が不要となり、住宅で使用するエネルギーを電気にまとめられることが特徴です。
都市ガスの配管がない地域ではオール電化になることも

新築戸建てがオール電化になる理由は、住宅の設備仕様だけではありません。
その地域に都市ガスの配管が通っているかどうかも関係することがあります。
都市ガスの供給エリア外でガスを利用する場合には、プロパンガスを採用することになります。
そのため建売住宅では、「プロパンガスを採用するより、IHクッキングヒーターとエコキュートを設置してオール電化にする」というケースもあります。
また、前面道路に都市ガスの本管が通っていない場合、新たに都市ガスを引き込むための工事が必要になることもあります。
工事費用や敷地条件などを考慮して、最初からオール電化住宅として計画される新築戸建てもあります。
物件を見ていて「周辺はガス住宅が多いのに、この物件だけオール電化なのはなぜだろう?」と感じた場合は、周辺の都市ガス供給状況を確認してみると理由が分かることがあります。
現在のオール電化住宅の主な設備

現在の新築一戸建てでは、主にIHクッキングヒーターとエコキュートがオール電化住宅の中心設備となっています。
IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターは、電気を利用して鍋やフライパン自体を発熱させる調理設備です。ガスコンロのような炎が出ないため、火を直接使わずに調理できます。
また、天板がフラットになっているため、料理後の掃除がしやすいことも特徴です。現在は火力の強いIHも多く、炒め物や揚げ物など日常的な料理にも対応できます。
ただし、鍋やフライパンによってはIHに対応していないものもあるため、現在使用している調理器具をそのまま使えるか確認しておきましょう。
エコキュートとは?
オール電化住宅で給湯設備として多く採用されているのがエコキュートです。エコキュートは、空気中の熱を取り込み、ヒートポンプという仕組みを利用してお湯を沸かします。
電気ヒーターだけで直接お湯を沸かす電気温水器とは仕組みが異なり、効率よくお湯を作れることが特徴です。作ったお湯は屋外に設置された貯湯タンクにためておき、キッチンや洗面所、お風呂などで使用します。
戸建て住宅では、家族構成に合わせて370Lや460Lなどのタンク容量が採用されることがあります。
新築戸建てを購入するときは「エコキュート付き」ということだけではなく、タンク容量が家族人数に合っているかも確認しておきたいポイントです。
オール電化住宅のメリット

ガスの基本料金がかからない
オール電化住宅では基本的にガスを契約しないため、ガスの基本料金がかかりません。光熱費を電気に一本化できるため、毎月の支出を管理しやすいことも特徴です。
ただし、オール電化だから必ず光熱費が安くなるとは限りません。家族人数や生活時間帯、電気料金プラン、使用する設備によって光熱費は変わります。
火を直接使わない
IHクッキングヒーターでは、ガスコンロのように炎を使用しません。小さなお子さまがいる家庭などでは、キッチンで火を直接使わないことをメリットに感じる方もいるでしょう。
ただし、IHでも鍋やフライパン、天板は高温になります。火が見えないからといって、やけどの心配がないわけではありません。
キッチンのお手入れがしやすい
IHクッキングヒーターは天板がフラットなため、料理後に汚れを拭き取りやすい設備です。ガスコンロのように五徳を取り外して掃除する必要がないため、日々のお手入れを簡単にしたい方にはメリットがあります。
光熱費を電気にまとめられる
オール電化住宅では、給湯や調理なども電気でまかなうため、光熱費を電気に一本化できます。電気代とガス代をそれぞれ管理する必要がなくなるため、家計の把握がしやすくなります。
オール電化住宅の注意点

メリットのあるオール電化住宅ですが、購入前に知っておきたい注意点もあります。
電気料金の影響を受けやすい
住宅で使用するエネルギーを電気にまとめるため、電気料金が上昇した場合には家計への影響を受けやすくなります。
以前は「夜間の電気料金が安いからオール電化はお得」というイメージもありました。しかし、現在は電気料金プランも変化しているため、単純に夜間に電気を使えば必ず安くなるとは限りません。
入居後は、家族の生活時間に合った料金プランを選ぶことも大切です。
停電すると電気設備が使えなくなる
オール電化住宅では、停電するとIHクッキングヒーターなどの電気設備が使用できなくなります。
ただし、これはオール電化だけの問題ではありません。現在のガス給湯器も電気で制御しているものが多いため、停電時には給湯器が使用できなくなることがあります。
「ガス併用住宅なら停電してもすべて使える」というわけではありません。
エコキュートの設置スペースが必要
エコキュートには、ヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つの機器があります。そのため、壁に設置するガス給湯器と比較すると、屋外にある程度のスペースが必要です。
建売住宅ではすでに設置場所が確保されていますが、エコキュートの位置によっては建物横の通路が狭くなっている場合もあります。
特に敷地面積の限られた都市部の新築戸建てでは、実際に現地を見て確認しておきたいポイントです。
エコキュートはお湯切れに注意
エコキュートは、タンクにためておいたお湯を使用する設備です。そのため、短時間に大量のお湯を使用すると、タンク内のお湯が不足する可能性があります。
例えば、次のような家庭ではタンク容量を確認しておくと安心です。
- 家族人数が多い
- シャワーを長時間使う
- 朝と夜の両方で入浴する
- 来客が多い
最近のエコキュートには、使用量に合わせて沸き増しを行う機能などもありますが、購入前に家族人数と容量が合っているか確認しておきましょう。
太陽光発電との相性も良い
オール電化住宅は、太陽光発電との相性が良いことも特徴です。昼間に太陽光発電で作った電気を家庭内で使用できれば、電力会社から購入する電気を減らすことができます。
エコキュートにも、太陽光発電の余剰電力を活用して昼間にお湯を沸かすことができる機種があります。
以前のオール電化では「夜間の安い電気でお湯を沸かす」という使い方が中心でしたが、現在は「自宅で作った電気を自宅で使う」という考え方も増えています。
太陽光パネルが搭載されている新築戸建てでは、エコキュートとの組み合わせも確認してみましょう。
オール電化だから省エネ住宅とは限らない
新築戸建てを購入する際に注意したいのが、「オール電化住宅=省エネ性能が高い住宅」ではないということです。
オール電化は、住宅で使用する熱源を電気にまとめているという設備上の仕組みです。
住宅そのものの省エネ性能については、次のような項目を別に確認する必要があります。
- 断熱性能
- 窓の性能
- 一次エネルギー消費量
- ZEH水準住宅
- 長期優良住宅
新築戸建てを比較するときは、「オール電化かどうか」と「住宅そのものの省エネ性能」は分けて考えることが大切です。
都市ガス・プロパンガス・オール電化の違い
新築戸建てでは、大きく分けると「都市ガス」「プロパンガス」「オール電化」という3つのパターンがあります。
| 種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 都市ガス | 道路にある都市ガスの本管から住宅へガスを引き込んで使用します。 |
| プロパンガス | 敷地内にガスボンベを設置するため、都市ガスの配管がない地域でも利用できます。 |
| オール電化 | ガスを使用せず、IHクッキングヒーターやエコキュートなどを使用します。 |
都市ガスが通っていない地域では、「プロパンガスを採用するか」「オール電化にするか」という選択になるケースもあります。
どれが一番良いというものではなく、立地や設備、家族の生活スタイルによって向き不向きがあります。
新築戸建てでオール電化住宅を見るときのチェックポイント
販売図面に「オール電化」と書いてあるだけでは、詳しい設備内容までは分からないことがあります。
実際に物件を確認するときには、次のような部分を確認してみましょう。
- IHクッキングヒーターの仕様
- エコキュートのメーカー
- エコキュートのタンク容量
- エコキュートの設置場所
- 太陽光発電の有無
- 蓄電池の有無
- 住宅自体の省エネ性能
- ZEH水準住宅などに該当するか
また、周辺に都市ガスが供給されているのか、都市ガスがなくオール電化が採用されているのかを確認しておくと、その物件の設備仕様について理解しやすくなります。
同じ「オール電化住宅」でも設備の内容は物件によって異なります。
「オール電化」という言葉だけで判断せず、実際にどのような設備が採用されているのかを確認することが大切です。
まとめ
オール電化住宅とは、IHクッキングヒーターやエコキュートなどを利用し、住宅で使用する熱源を基本的に電気でまかなう住宅です。
都市ガスの配管がない地域では、プロパンガスではなくオール電化を採用した新築戸建てもあります。
新築戸建てを購入するときは、「オール電化」という表示だけで判断せず、エコキュートの容量や設置場所、太陽光発電の有無、住宅そのものの省エネ性能まで確認して選ぶことが大切です。
