建物の傾きの許容範囲は何度?原因や対策は?
建物の傾きは、程度によっては健康被害を引き起こす要因となります。新築と中古の物件で傾きの許容範囲は異なり、不具合として工事するかどうかは個人の判断。
基準値を知っておくと工事を考える目安になるので、許容範囲とその計算方法をご紹介します。
併せて傾きの原因と修理方法もみておきましょう!
建物の傾きの許容範囲は何度?計算方法は?
建物の傾きの許容範囲が何度になるのかは、新築と中古で以下のように異なります。
中古住宅:6/1,000以内・0.34度以内
新築住宅:3/1,000以内・0.17度以内
中古住宅は1,000mmにつき6mm以内、新築住宅であれば1,000mmにつき3mm以内の傾きであれば許容範囲です。
たとえば、8畳の正方形のお部屋で考えてみましょう。
8畳のお部屋は縦3,640mm×横3,640mmの広さになります。
傾きは1辺の長さに指針となる数値をかければ算出できるので、以下の計算式で求められますよ。
中古住宅:3,640×6/1,000=21.84
新築住宅:3,640×3/1,000=10.92
中古住宅は22mm以内、新築住宅は11mm以内であれば許容範囲内と判断できます。
しかし範囲を超える数値が出たとしても、本人が気にならないのであれば、角度が何度であってもとくに工事は必要ありません。
気分が悪くなったり扉を開閉できなくなったりするなど、生活に支障が出るようであれば専門家への調査を依頼し、原因を確認してから工事を検討するとよいでしょう。
建物の傾きが許容範囲を超える原因と修理方法
建物の傾きが許容範囲を超える原因と修理方法を、合わせて3パターンご紹介します。
▼床材の不具合
カビや経年劣化により床材だけが歪んでいるケースです。
腐食した部分などを張り替えれば問題を解消でき、費用の目安は次のとおりです。
合板フローリング:8,000~9,000円/㎡
無垢フローリング:5,000円程度/㎡
▼根太のシロアリ被害
シロアリが根太を侵食して傾斜する場合があります。
シロアリを駆除してから新しい根太に取り換える工事が必要で、費用相場は以下のとおりです。
シロアリ駆除:3,000~4,000円/帖
根太交換:3万~10万円
▼地盤の傾斜
建物に異常が見られない場合の原因としては、地盤が傾いている可能性があります。
地盤工事は大掛かりなので費用も高くなります。
ジャッキアップ:100万~200円
ダブルロック工法:300万~500万円
ウレタン工法:約200万円
まとめ
建物の傾きは、めまいや吐き気など健康被害の原因になる場合があります。
住宅を購入する際は、ドアの開閉をチェックしたりビー玉を転がしたりするのがおすすめです。
許容範囲の数値をチェックして、体感と併せて建物の品質を確かめるとよいでしょう。