マンション修繕積立金不足が深刻化|中古マンション購入前に確認したいポイント

マンションの大規模修繕に必要な資金が不足し、修繕のために融資を利用する管理組合が増えています。


建築資材や人件費の高騰により、これまでの修繕積立金だけでは対応しきれないマンションが出てきており、今後は住宅購入時にもより注意が必要です。

マンションは毎月の住宅ローン返済だけでなく、管理費や修繕積立金がかかります。特に修繕積立金は、将来の大規模修繕に備えるための大切なお金です。しかし近年は、当初の計画よりも修繕費が高くなり、積立金が不足するケースが増えています。

修繕積立金とは?

修繕積立金とは、マンションの建物を長く維持するために、区分所有者が毎月積み立てるお金です。

主に以下のような工事に使われます。

  • ・外壁の補修
  • ・屋上やバルコニーの防水工事
  • ・給排水管の修繕
  • ・エレベーターの更新
  • ・共用部分の修繕


マンションは戸建てと違い、建物全体を管理組合で維持していく必要があります。そのため、毎月の積立金が将来の修繕に大きく影響します。

修繕積立金不足で融資利用が増えている

住宅金融支援機構のマンション修繕向け融資は、2025年度に約406億円となり、過去最高を更新したとされています。融資額は10年前と比べて大きく増えており、積立金だけでは大規模修繕費をまかなえないマンションが増えていることが分かります。

ポイント
  • 修繕積立金不足で融資利用が増加
  • 修繕費の高騰により計画の見直しが必要
  • 中古マンション購入時は積立金や借入状況の確認が重要

なぜ修繕費が高くなっているのか

修繕費が上がっている背景には、建築資材の価格上昇や人件費の高騰があります。外壁工事や防水工事、足場設置などは人手が必要な工事です。資材価格だけでなく、職人不足や人件費の上昇も影響し、以前よりも大規模修繕の費用が高くなっています。


その結果、長期修繕計画を作った当初の金額では足りなくなり、積立金の値上げや一時金、融資を検討するマンションが増えています。

修繕を先送りすると資産価値に影響する

修繕費が足りないからといって、必要な修繕を先送りすると、建物の劣化が進む可能性があります。外壁の剥落、雨漏り、配管トラブルなどが発生すれば、住人だけでなく周辺への影響も考えられます。


また、管理状態が悪いマンションは中古市場で敬遠されやすく、資産価値の低下につながることもあります。

中古マンション購入前に確認したいこと

1. 修繕積立金の金額

毎月の修繕積立金が極端に安い場合、将来的に大幅な値上げが行われる可能性があります。購入時の負担が軽く見えても、数年後に毎月の支払いが増えるケースもあるため注意が必要です。

2. 長期修繕計画

マンションには、将来どの時期にどのような修繕を行うかをまとめた長期修繕計画があります。計画が古いままになっていないか、現在の修繕費相場に合わせて見直されているかを確認しましょう。

3. 修繕履歴

過去に外壁や屋上防水、給排水管などの修繕が適切に行われているかも重要です。築年数が経っているのに大規模修繕の履歴が少ない場合、今後大きな負担が発生する可能性があります。

4. 管理組合の借入状況

修繕のために管理組合が借入をしている場合、その返済も管理組合全体の負担になります。購入前には、借入の有無や返済状況も確認しておきたいポイントです。

5. 今後の値上げ予定

修繕積立金は、購入後に段階的に引き上げられることがあります。住宅ローン返済に加えて、管理費・修繕積立金が増えても無理なく支払えるかを事前に考えておくことが大切です。

新築マンションでも安心とは限らない

新築マンションの場合、販売時の毎月負担を抑えるために、当初の修繕積立金が低めに設定されていることがあります。


そのため、購入後しばらくしてから段階的に積立金が上がるケースもあります。新築だから安心と考えるのではなく、将来の修繕積立金の推移や長期修繕計画まで確認しておくことが大切です。

新築戸建てとの違い

新築戸建ての場合、マンションのように毎月決まった修繕積立金はありません。もちろん戸建ても将来的なメンテナンス費用は必要ですが、修繕のタイミングや内容は自分で判断しやすいという違いがあります。


一方、マンションでは管理組合の決議によって修繕内容や積立金の値上げが決まります。自分だけの判断ではコントロールできない部分があるため、購入前の確認がとても重要です。

価格だけでなく維持費まで考えることが大切

住宅購入では、物件価格や住宅ローンの返済額に目が行きがちです。しかし、マンションの場合は管理費・修繕積立金・駐車場代など、購入後に毎月かかる費用もあります。


特に修繕積立金は、将来的に値上がりする可能性があるため、購入時点の金額だけで判断しないことが大切です。

まとめ

マンションの修繕積立金不足は、今後さらに大きな社会課題になる可能性があります。中古マンションを購入する場合は、室内のきれいさや価格だけでなく、建物全体の管理状況や修繕計画まで確認することが重要です。

購入前に確認したいポイント
  • 修繕積立金の金額
  • 長期修繕計画
  • 過去の修繕履歴
  • 管理組合の借入状況
  • 今後の値上げ予定

住宅購入では、購入価格だけでなく、住み続けるための維持費まで考えることが失敗しないポイントです。マンションと新築戸建て、それぞれにメリットがありますが、将来の負担まで含めて比較することが大切です。

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