
東京都心の中古マンション価格が5カ月連続下落!横浜市は上昇が続く、不動産市場に変化の兆し
2026年10月22日、不動産調査会社の東京カンテイが発表した9月の中古マンション価格データで、注目すべき動きが明らかになりました。
東京都心6区の中古マンション平均売り出し価格が、 5カ月連続で下落し、1億7,786万円 となりました。
一方で、横浜市は前月比1.8%上昇の4,836万円となり、東京都心とは異なる動きを見せています。
これまで東京都心の中古マンションは価格上昇が続き、「マンション価格はどこまで上がるのか」と話題になっていました。
ところが、ここにきて状況が変わり始めています。
価格が高くなりすぎたことで購入希望者が慎重になり、売り出しても買い手が見つからない物件が増えています。
今回は、東京都心で中古マンション価格が下がり始めた理由や、横浜市の不動産市場への影響、これから住宅購入を考えている方が注意したいポイントについて、不動産会社の視点から解説します。
1.東京都心6区の中古マンション価格が5カ月連続で下落

東京カンテイが発表した2026年9月の中古マンション平均売り出し価格は、次のようになっています。
| エリア | 70㎡換算価格 | 前月比 |
|---|---|---|
| 東京都心6区 | 1億7,786万円 | −1.6% |
| 東京23区 | 1億2,629万円 | −0.4% |
| 横浜市 | 4,836万円 | +1.8% |
| さいたま市 | 4,559万円 | +0.5% |
| 千葉市 | 3,013万円 | +2.4% |
※東京カンテイ2026年9月調査。専有面積70㎡換算の平均売り希望価格。
東京都心6区とは、千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・渋谷区を指します。
特に注目したいのは、東京都心6区の価格が2026年8月の約1億8,068万円から、9月には1億7,786万円まで下がったことです。
都心6区の平均売り出し価格は、前月から約282万円下落しました。
また、東京23区全体でも価格が下落しており、都心部から周辺地域へ価格調整の動きが広がっています。
ただし、都心6区の価格は前年同月と比較すると1.3%高く、現時点で長期的な下落トレンドに入ったと断定することはできません。
2.なぜ東京都心の中古マンション価格が下がり始めたのか?

① マンション価格が高くなりすぎた
最大の理由は、これまでのマンション価格の上昇です。
東京都心では、一般的なファミリー向けマンションでも1億円を超える物件が珍しくなくなりました。
共働きで高収入の世帯であっても、住宅ローンの返済額や毎月の管理費・修繕積立金を考えると、購入をためらう価格帯になっています。
不動産価格は売主が自由に設定できますが、実際に購入してくれる人がいなければ売買は成立しません。
これまでのように高い価格で売り出せば購入希望者が現れるという状況から、適正な価格設定が求められる市場へと変化し始めています。
② 住宅ローン金利の上昇
もう一つの大きな要因は、住宅ローン金利の上昇です。
住宅ローンは金利が少し変わるだけでも、借入金額が大きいほど毎月の返済額に影響します。
例えば、8,000万円を35年間、元利均等返済・ボーナス返済なしで借りた場合、金利による返済額の違いは次のようになります。
| 住宅ローン金利 | 毎月の返済額 |
|---|---|
| 年0.5% | 約20.8万円 |
| 年1.0% | 約22.6万円 |
| 年1.5% | 約24.5万円 |
| 年2.0% | 約26.5万円 |
※返済額は概算です。諸費用・管理費・修繕積立金などは含みません。全期間同一金利で計算しています。
金利が年0.5%から年1.5%に上昇すると、毎月の返済額は約3万7,000円増加します。年間では約44万円もの負担増となります。
住宅価格が高騰しているところに住宅ローン金利の上昇が重なることで、購入希望者が慎重になるのは自然なことです。
③ 投資目的で購入していた人の動きが鈍くなった
東京都心のマンション価格上昇には、実際に住むための購入だけでなく、投資目的の購入も影響してきました。
将来さらに値上がりすると期待して購入する投資家もいましたが、価格の上昇が鈍くなると、以前ほど積極的に購入しなくなる可能性があります。
住宅としての需要に加え、投資需要の変化も価格調整の一因と考えられます。
3.中古マンションの売り物件が増えている

今回のニュースで、価格下落と同じくらい重要なのが、売り出されているマンションの数です。
東京都心6区では、2026年9月の流通戸数が5,915戸となりました。
2026年9月:5,915戸
前月比:+9.1%
前年同月比:+55.7%
1年前と比較すると、売り出されている物件が約1.56倍になったことになります。
売却物件が増えても購入希望者が十分にいれば、価格は維持されやすくなります。
しかし、購入希望者が減少している状況で売り物件が増えると、売主同士の価格競争が生まれやすくなります。
半数以上の物件で値下げが行われている
実際、東京都心6区では、直近3カ月以内に値下げした物件の割合が54.2%となっています。
前月の52.2%からさらに増加しました。
平均値下げ率は6.8%となっています。
売り出されている物件の半数以上で価格の見直しが行われているという点は、現在の市場を考えるうえで重要な数字です。
ただし、これは成約価格が一律に下がったという意味ではありません。売り出し価格の調整が増えていることを示しています。
4.一方で横浜市の中古マンション価格は上昇している

東京都心でマンション価格の下落が続く一方、横浜市では異なる動きが見られます。
2026年9月の横浜市の中古マンション平均売り出し価格は、70㎡換算で4,836万円となり、前月比1.8%上昇しました。
東京都心の価格が下落しているからといって、首都圏すべての地域で不動産価格が下がっているわけではありません。
その背景として考えられるのが、実際に住むことを目的とした購入需要の違いです。
東京都心では投資目的の購入も価格上昇に影響してきましたが、横浜市などの周辺地域では、通勤や子育て、生活環境を重視して住宅を購入する方も多くいます。
東京都心のマンション価格が高くなりすぎたことで、予算とのバランスを考え、横浜市などで住宅を探す動きも考えられます。
都心の価格調整が進む一方で、横浜市では中古マンションの平均売り出し価格が上昇しています。地域によって不動産市場の動きに違いが出ています。
ただし、横浜市でもすべてのマンションが値上がりしているわけではありません。
駅からの距離、築年数、管理状況、周辺環境などによって、個々の物件の価格動向は異なります。
5.東京都心の値下がりは横浜市にも影響するのか?

今後、気になるのは東京都心で始まった価格調整が、横浜市にも広がってくるのかという点です。
今回の調査では、東京都心6区だけでなく東京23区全体でも価格が下落しています。
この傾向が続けば、将来的に横浜市の不動産市場にも影響する可能性はあります。
ただし、東京都心と横浜市では価格帯や購入者層が異なります。
例えば、東京都心で1億5,000万円を超えるマンションを探している方と、横浜市で4,000万円〜5,000万円台の住宅を探している方では、購入目的や予算が異なる場合があります。
そのため、東京都心の価格が下がったからといって、横浜市の価格もすぐに下がるとは限りません。
同じ横浜市内でも、駅に近い物件や生活利便性の高いエリアと、それ以外のエリアでは価格動向に差が出てくる可能性があります。
6.中古マンションの価格が下がれば、新築一戸建ても安くなる?
横浜市で住宅購入を検討している方にとっては、中古マンションだけでなく、新築一戸建ての価格も気になるところだと思います。
中古マンションと新築一戸建ては異なる市場ですが、購入希望者の予算という点では共通しています。
例えば、これまで5,000万円台の中古マンションを検討していた方が、同じ価格帯の新築一戸建てに目を向けることもあります。
反対に、中古マンションの価格が下がって購入しやすくなれば、新築一戸建てではなくマンションを選ぶ方が増える可能性もあります。
そのため、中古マンション市場の変化が新築一戸建ての販売状況に影響することは考えられます。
ただし、新築一戸建ての価格は土地の仕入れ価格、建築費、人件費などにも左右されます。
中古マンションの価格が下落しても、新築一戸建ての価格が同じように下落するとは限りません。
7.これから住宅を購入する方が注意したいこと
不動産価格の下落というニュースを見ると、「もう少し待てば安くなるのでは?」と考える方もいると思います。
もちろん、急いで購入する必要はありません。
ただし、不動産は株式などと違い、一つひとつの物件に異なる特徴があります。
同じマンション内でも、階数や向き、室内の状態によって価格は異なります。
また、新築一戸建ての場合には、土地の形状や道路との接し方、日当たり、間取りなども重要です。
購入前に確認しておきたいポイント
- 周辺の類似物件と比較して価格が適正か
- 住宅ローンの返済に無理がないか
- 金利が上昇しても家計に余裕があるか
- 物件の立地や生活環境が希望に合っているか
- 将来売却する場合にも需要が見込めるか
特に重要なのは、住宅ローンの返済額です。
仮に物件価格が200万円下がったとしても、住宅ローン金利が上昇すれば、毎月の返済額や総返済額が増えてしまう場合があります。
物件価格だけを見るのではなく、住宅ローンを含めた総合的な判断が必要です。
8.住宅を売却する方にとっても価格設定が重要になる
今回のニュースは、住宅を購入する方だけでなく、売却を考えている方にも関係があります。
特に注目したいのは、東京都心6区で売り出し物件が増え、値下げする物件も増加していることです。
不動産を売却する際には、少しでも高く売りたいと考えるのは当然です。
しかし、周辺の相場から大きく離れた価格で売り出すと、購入希望者からの問い合わせが少なくなり、売却までに時間がかかることがあります。
そして、長期間売れ残った結果、何度も値下げするケースもあります。
もちろん、最初から安く売り出す必要はありません。
大切なのは、現在売り出されている物件の価格だけでなく、実際に成約した価格や周辺の競合物件を確認し、適正な売り出し価格を設定することです。
まとめ|不動産市場は「どこでも値上がり」から変化し始めている
- 東京都心6区の中古マンション価格は5カ月連続で下落
- 2026年9月の平均売り出し価格は1億7,786万円
- 東京都心6区の流通戸数は前年同月比55.7%増加
- 直近3カ月以内に値下げした物件の割合は54.2%
- 横浜市の中古マンション価格は前月比1.8%上昇
- 今後は地域や物件ごとの価格動向を見極めることが重要
今回の東京カンテイの調査では、東京都心6区の中古マンション価格が5カ月連続で下落しました。
また、売り出し物件数が増加し、価格を見直す物件が半数以上に達していることも注目すべき点です。
一方で、横浜市の中古マンション価格は上昇しており、地域によって市場の動きに違いが出ています。
これまでのように「不動産価格はどこでも上がる」という見方ではなく、地域や物件ごとの需要を見極めることが、これからますます重要になると考えられます。
横浜市で住宅を探している方は、東京都心の価格下落だけを見て購入時期を判断するのではなく、希望するエリアの相場や住宅ローン金利、家族のライフプランなどを踏まえて検討することが大切です。
住宅は単なる投資商品ではなく、家族が長く生活する場所でもあります。
価格が上がるか下がるかだけでなく、自分たちにとって無理のない価格で、納得できる住まいを見つけることが何より重要だと思います。
【参考資料】
東京カンテイ「2026年9月 中古マンション価格調査」
2026年10月22日付の中古マンション価格に関する報道
※掲載価格は平均売り希望価格であり、実際の成約価格ではありません。
※市場動向の見通しは、調査結果をもとにした考察であり、将来の価格変動を保証するものではありません。
