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タワマンの修繕積立金上昇 積立金不足“4割時代”へ

不動産購入コラム

梅澤 英孝

筆者 梅澤 英孝

不動産キャリア22年

家探しは、物件だけでなく「誰と探すか」も大切です。不動産営業=“売る仕事”と思われがちですが、私にとっては“お客様の将来を一緒に考える仕事”です。お子さまの通学や生活動線、将来のライフプランまで、一緒に想像しながら最適な住まいをご提案しています。小さなご相談でも、どうぞ気軽にお声かけください。

タワマンの修繕積立金上昇 積立金不足“4割時代”へ

「タワーマンションは資産価値が落ちにくい」――。

そう言われ続けてきたタワマン市場ですが、今、大きな問題になっているのが“修繕積立金不足”です。
さらに住宅ローン金利上昇も重なり、将来的な固定費負担は大きく変わる可能性があります。

駅直結、眺望、豪華共用施設、ブランド性――。
タワーマンションは今でも人気があります。

ただ、その裏側で深刻化しているのが、 「修繕積立金の上昇」と「積立金不足問題」です。

国土交通省の調査では、管理組合の約4割が「修繕積立金が計画に対して不足している」と回答。

さらに今後は、

  • 住宅ローン金利上昇
  • 修繕積立金上昇
  • 管理費上昇

が同時に家計へ影響する時代に入ろうとしています。

タワマンはなぜ修繕費が高いのか

タワーマンションは、中低層マンションより圧倒的に構造が複雑です。

  • 高層用エレベーター
  • 長距離の給排水管
  • 巨大な機械式駐車場
  • ジム・ラウンジなど大型共用施設
  • 高所作業用ゴンドラ

など、維持コストが高い設備が多くあります。

さらに高層建築は、

  • 足場設置が特殊
  • 工期が長い
  • 安全対策費が高い

という特徴もあり、工事費が膨らみやすい構造です。

近年はさらに、

・人件費上昇
・建築資材高騰
・インフレ
まで重なり、修繕費は想定以上のスピードで上昇しています。

修繕積立金は“最初から安すぎた”

実は、多くの新築マンションでは、販売当初の修繕積立金がかなり低めに設定されています。

理由はシンプルです。

毎月の支払いを安く見せた方が売りやすいから。

例えば、

  • 管理費:15,000円
  • 修繕積立金:5,000円

であれば、購入時には負担が軽く見えます。

しかし築年数が進むと、必要な修繕費との差が広がっていきます。

特にタワマンは大型設備が多いため、 築20年〜30年前後で必要コストが急増しやすいのです。

築30年前後で訪れる「修繕費の崖」

マンションの大規模修繕は一般的に、

  • 1回目:築12〜15年前後
  • 2回目:築25〜35年前後

で行われます。

1回目は外壁や防水工事が中心ですが、 2回目では、

  • 給排水管更新
  • エレベーター更新
  • サッシ交換
  • 機械設備更新

など、“建物の心臓部”の工事が増えます。

ここで修繕費が一気に跳ね上がります。

特にタワマンでは、修繕費が数十億円規模になるケースも珍しくありません。

本当に怖いのは「月々の固定費上昇」

ここはかなり重要です。

例えば変動金利で住宅ローンを組んでいる場合、

  • 金利上昇で住宅ローン返済額が増える
  • 修繕積立金が上がる
  • 管理費も上がる

という“トリプル負担増”が起こる可能性があります。

購入時には、

「月々14万円なら払える」

と思っていても、 数年後には、

  • ローン返済増
  • 修繕積立金増
  • 管理費増

によって、月々負担が数万円単位で変わるケースもあります。

つまり問題は、

「物件価格」ではなく、“将来の固定費が読みにくいこと”です。

新築戸建てとの大きな違い

もちろん戸建てもメンテナンスは必要です。

外壁、屋根、防水、給湯器など、将来的に費用はかかります。

ただし戸建ての場合は、

  • 修繕タイミングを自分で決められる
  • 予算に合わせて調整しやすい
  • 共用部負担がない
  • 管理組合の合意形成が不要

という大きな違いがあります。

例えば、

「今年は外壁だけ」
「屋根は数年後」

など、ある程度コントロールできます。

一方マンションは“共同所有”のため、 自分だけの判断で延期や調整がしづらい構造です。

特にタワマンは規模が大きく、設備も特殊なため、 維持コストが読みづらいという特徴があります。

今後10年で“築20年以上タワマン”が急増する

現在、全国には20階建て以上のタワーマンションが約1700棟あります。

そして今後10年で、 2回目の大規模修繕を迎える築20年以上のタワマンが急増します。

つまり、これまで“新築プレミアム”で評価されてきたタワマン市場が、 これからは「維持管理能力」で評価される時代に入るということです。

タワマン購入で本当に見るべきポイント

これから中古タワマンを検討する場合、重要なのは価格だけではありません。

  • 修繕積立金はいくらか
  • 将来的な値上げ予定はあるか
  • 長期修繕計画は現実的か
  • 積立金残高は足りているか
  • 過去の大規模修繕履歴はどうか

立地や眺望だけではなく、 “将来ちゃんと維持できるマンションか” まで確認する時代になっています。

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