
今、マンションの管理会社が撤退しています|中古マンション購入の新たなリスク
今、マンションの管理会社が撤退しています|中古マンション購入の新たなリスク
中古マンションを購入するときは、価格や立地、築年数、室内の状態だけでなく、マンションの管理状況も確認する必要があります。
近年は、人件費や物価の上昇、人手不足などを背景に、管理会社から管理委託費の値上げを求められるマンションが増えています。
管理組合との話し合いがまとまらなければ、管理会社が契約を更新せず、マンションの管理業務から撤退することもあります。
特に戸数の少ない小規模マンションでは、管理会社が利益を確保しにくく、管理費の値上げや管理会社撤退の影響を受けやすいため注意が必要です。
マンションの管理会社は何をしている?

分譲マンションの管理主体は、各住戸の所有者で構成される管理組合です。
ただし、住民だけですべての管理業務を行うのは難しいため、多くのマンションでは管理会社へ業務を委託しています。
管理会社が行う主な業務は、次のとおりです。
- 管理費や修繕積立金の収納
- 管理組合の会計処理
- 管理費滞納者への督促
- 理事会や総会の運営補助
- 共用部分の清掃
- 建物や設備の点検
- 修繕工事の手配
- 管理員の配置
管理会社は、日常の管理から管理組合の運営まで、マンションを維持するための幅広い業務を担当しています。
なぜ管理会社が撤退するのか

管理会社が撤退する主な理由は、これまでの管理委託費では採算が合わなくなっているためです。
マンション管理には、管理員や清掃員の人件費、設備点検費、事務費などがかかります。
人件費や物価が上昇すれば、管理会社は管理委託費の値上げを求めることになります。
しかし、値上げによって各住戸の管理費も上がる可能性があるため、管理組合が簡単に受け入れられるとは限りません。
小規模マンションほど影響が大きい

管理組合の会計や総会の運営、設備点検の手配などは、マンションの戸数が少なくても必要です。
そのため、戸数の少ないマンションは管理会社にとって利益を確保しにくく、管理委託費の値上げを求められやすくなります。
また、値上げされた費用を少ない住戸で負担するため、1戸あたりの負担も大きくなります。
小規模マンションを購入するときは、現在の管理費だけでなく、将来の値上げに対応できるかも考えておく必要があります。
管理会社が撤退するとどうなる?

管理会社との契約が終了しても、すぐにマンションへ住めなくなるわけではありません。
ただし、新しい管理会社が決まるまでは、これまで委託していた業務を管理組合が行わなければなりません。
管理費の収納や会計処理、清掃会社への依頼、設備点検の手配、総会資料の作成などを住民が対応することになります。
- 新しい管理会社が見つからない
- 以前より管理委託費が高くなる
- 清掃回数が減る
- 管理員の勤務時間が短くなる
- 管理組合や住民の負担が増える
特に小規模マンションでは、採算が合わないことを理由に、管理会社から契約を断られる可能性があります。
管理会社の変更履歴があっても問題とは限らない
管理会社が変更されているからといって、必ずしも管理状態の悪いマンションとは限りません。
管理会社の対応や管理内容に問題があり、管理組合側から別の会社へ変更している場合もあります。
購入前には、管理会社を変更した理由と、現在の管理状況を確認しましょう。
管理費が安いだけで選ばない

毎月支払う管理費は安いほうが魅力的に見えます。しかし、管理費が安ければ安心とは限りません。
長期間金額が見直されていない場合、現在の人件費や物価に合っておらず、購入後に値上げされる可能性があります。
また、管理費を抑えるために、管理員の勤務日数や清掃回数が少なくなっている場合もあります。
管理費と修繕積立金は別の費用
管理費と修繕積立金は、どちらも毎月支払いますが、使い道が異なります。
管理費は、日常の清掃や設備点検、管理会社への委託費などに使われます。
一方、修繕積立金は、外壁や屋上防水、給排水設備など、将来の大規模修繕工事に備えて積み立てる費用です。
修繕積立金が十分にあっても、日常の管理費に余裕があるとは限りません。
中古マンション購入前に確認したいこと

中古マンションを購入するときは、重要事項調査報告書や総会議事録などで、管理状況を確認しましょう。
- マンションの総戸数
- 現在の管理会社
- 管理会社の変更履歴
- 管理委託費や管理費の値上げ予定
- 管理会社から契約終了の申し入れがないか
- 管理費会計の収支
- 管理費や修繕積立金の滞納状況
- 修繕積立金の残高
- 長期修繕計画の内容
- 理事会や総会の開催状況
直近の総会議事録を確認する
特に確認したいのが、直近の総会議事録です。
総会議事録には、管理委託費の値上げ、管理会社の変更、管理費や修繕積立金の見直しなどが記載されている場合があります。
現在は問題がなくても、購入後に管理費が上がったり、管理会社が変わったりする可能性があるため、今後の予定まで確認することが大切です。
管理会社の名前だけでは判断できない
大手の管理会社が入っているマンションでも、将来にわたって同じ条件で管理を続けてもらえるとは限りません。
反対に、自主管理や知名度の高くない管理会社であっても、管理組合が機能し、必要な清掃や点検、修繕が行われていれば、良好な状態を保っているマンションもあります。
管理会社の知名度だけではなく、実際の管理内容と管理組合の運営状況を確認しましょう。
まとめ
人件費や物価の上昇などにより、管理会社から管理委託費の値上げや契約終了を申し入れられるマンションがあります。
特に小規模マンションは管理会社が採算を取りにくく、値上げされた場合の1戸あたりの負担も大きくなります。
中古マンションを購入するときは、価格や築年数だけでなく、管理会社との契約状況や管理組合の収支、総会議事録まで確認することが大切です。
